大規模DAC-U

DAC-U ユニット多数

大気は膨大ですが、私たちはその大気の処理に挑みます。地球温暖化対策を強力に進めていくためには、より大型の施設で大量のCO₂処理も重要です。太陽光発電の大規模施設「メガソーラー」のように、ユニットを連結すると大規模な「メガカーボンファーム」を展開できます。メガソーラーとメガカーボンファームを連結すると、いわばエネルギーの地産スポットとなりカーボンニュートラル社会実現に大きく貢献すると期待されます。

中規模DAC-U

DAC-U ユニット複数

基本ユニットは連結して稼働させることもできます。オフィスビルや商業施設が多くCO₂濃度が比較的高い都市部では、分離膜モジュールや変換モジュールを必要な分だけ組み合わせればさらに効率的なCO₂回収・利用が可能です。また、太陽光発電と組み合わせることができれば、エネルギー面で自立した施設が可能となります。

小規模DAC-U

DAC-U ユニット1~2

このプロジェクトで開発する基本ユニットです。大気中からCO₂を選択的に分離する分離膜モジュールと、回収したCO₂をメタンやエタノールなどに変換するモジュールを連結して構成しています。高性能なDAC-Uユニットが実現されれば都市ガスを空気から各家庭で製造し、そのまま利用可能となることでしょう。

大規模DAC-U

DAC-U ユニット多数

大気は膨大ですが、私たちはその大気の処理に挑みます。地球温暖化対策を強力に進めていくためには、より大型の施設で大量のCO₂処理も重要です。太陽光発電の大規模施設「メガソーラー」のように、ユニットを連結すると大規模な「メガカーボンファーム」を展開できます。メガソーラーとメガカーボンファームを連結すると、いわばエネルギーの地産スポットとなりカーボンニュートラル社会実現に大きく貢献すると期待されます。

中規模DAC-U

DAC-U ユニット複数

基本ユニットは連結して稼働させることもできます。オフィスビルや商業施設が多くCO₂濃度が比較的高い都市部では、分離膜モジュールや変換モジュールを必要な分だけ組み合わせればさらに効率的なCO₂回収・利用が可能です。また、太陽光発電と組み合わせることができれば、エネルギー面で自立した施設が可能となります。

小規模DAC-U

DAC-U ユニット1~2

このプロジェクトで開発する基本ユニットです。大気中からCO₂を選択的に分離する分離膜モジュールと、回収したCO₂をメタンやエタノールなどに変換するモジュールを連結して構成しています。高性能なDAC-Uユニットが実現されれば都市ガスを空気から各家庭で製造し、そのまま利用可能となることでしょう。

プロジェクトマネージャー 挨拶

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九州大学
カーボンニュートラル・
エネルギー国際研究所
教授 藤川 茂紀

 地球温暖化を抑制するため、CO₂を始めとする温室効果ガス削減が急務となっています。パリ協定で掲げられた2℃目標の達成には、従来の排出源対策だけでは不十分であり、既に大気に拡散してしまったCO₂を削減する技術(ネガティブエミッション技術)に基づく温室効果ガス対策が不可欠です。この観点から、日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にはない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進するものとして、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)において、「ムーンショット型研究開発制度」が創設され、2020年7月に7つのムーンショット目標が決定されました。

 これに対し九州大学では、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER)において、CO₂の排出削減とともに、非化石燃料によるエネルギーシステムを構築するための基礎科学の創出によって、環境調和型で持続可能な社会の実現を目指す研究を実施してきました。ここでは、研究の一つの柱としてCO₂をより効率的に回収する技術、そして回収したCO₂を有用物質に変換する、Carbon Capture and Utilization(CCU)に関する研究を進めてきました。

 これらの実績を踏まえ、令和2年8月、大気中からの直接的CO₂回収とその資源転換技術の開発を行うため、本学が代表提案機関を務める「“ビヨンド・ゼロ”社会実現に向けたCO₂循環システムの研究開発」の提案研究がムーンショット型研究開発事業として採択されました。この事業では、独自開発の革新的な分離ナノ膜を出発点とし、極めて高いCO₂選択・透過性を有する分離膜型のCO₂回収ユニットを開発します。これと同時に、回収したCO₂を高効率で炭素燃料に変換するユニットも開発します。この二つのユニットを連結し、大気からのCO₂回収から炭素燃料変換までを一貫して行う「Direct Air Capture and Utilization (DAC-U)システム」の創製を目指します。このシステムは、相互連結による高い拡張性を持ち、小規模から大規模まで、条件に合わせて対応可能なものにします。これにより、地上に遍く存在する大気から、多様な場所でのCO₂回収・変換を実現する、我が国独自の革新的なDAC-Uシステムを創出し、気候変動問題の解決と新しい未来社会構築に貢献したいと考えております。

 この研究プロジェクトでは、大気中に拡散しているCO₂を人工的に直接回収(Direct Air Capture,DAC)し、回収したCO₂を有益な資源に転換する、革新的な技術開発を行います。2050年までに、開発するDACとCO₂転換技術の世界普及を目指し、その実用化に向けてさまざまな技術の開発も進めて行きます。

ムーンショットとは

 内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」は、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進するものです。掲げられている目標は以下の通りです。

 目標1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
 目標2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
 目標3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生する
     ロボットを実現
 目標4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
 目標5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・
     ムダのない持続的な食料供給産業を創出
 目標6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用
     量子コンピュータを実現
 目標7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を
     楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現

 このうち本プロジェクトは目標4 「地球環境再生のために、持続可能な資源循環の実現による、地球温暖化問題の解決(Cool Earth)と環境汚染問題の解決(Clean Earth)」を目指しています。